こんにちは。umeboshi編集部の なみほ です。
本日は、クリエイターさんへのインタビューをお届けします。お話を伺ったのは、Webデザイナーの坂本さん。未経験でWebデザイナーの道へ進んだきっかけや、制作会社に勤務しながらフリーランスとして活動している現在のことなど、たっぷりお聞きしました。
それでは、お楽しみください!
目次
- 自己紹介と経歴
- Webデザイナーを志したきっかけと学習方法
- 制作会社とフリーランスの仕事内容
- どのような過程を経てWeb制作会社で働き始めたか
- 制作会社とフリーランスの仕事の両立方法
- タイムマネジメントの方法や工夫
- 制作会社とフリーランスの仕事が互いにどう役立っているか
- 以前の社会経験や学生時代の出来事で、現在にも活きていると感じること
- これまでで一番印象に残っている仕事
- スキルアップのために行っていること
- 参考にしているメディア
- 体調管理、リフレッシュ方法
- デスク周りのこだわり
- 買ってよかったアイテム
- 今後のキャリアプラン
- Webデザイナーを志している方や、フリーランスを目指している方、就職を考えている方へのアドバイス
自己紹介と簡単な経歴をお願いいたします。
坂本歩美です。大分県で生まれ育ち、大学進学を機に大阪に移り住みました。以来、大阪の魅力にすっかり惹かれ、現在も住み続けています。
私の性格を一言で表すなら、16personalitiesでいうところの「エンターテイナー」タイプです。人との交流や、なにごとも前向きにチャレンジするタイプです。
キャリアについて少しお話しますと、大学卒業後、最初の10年間は医療器材を取り扱う会社に勤務していました。その後、ライフスタイルの変化に合わせて、いくつかの異なる職種を経験しました。具体的には、一般事務や人事部門での仕事、そしてCADオペレーターとしても働きました。
プライベートでは子供が3人(中2、小4、3歳)いるので自由な時間は少ないですが、日常を楽しむように心がけています。
ビール、旅行、料理や裁縫など好きなことは多いのですが、趣味と呼ぶには浅いのでどっぷりはまれる趣味を探し中です。
早速ですが、Webデザイナーを志したきっかけと、学習方法を教えてください。
私がWebデザイナーを志すきっかけとなったのは、コロナ禍での出産です。CADオペレーターの仕事を退職することになり、当初は出産後に職場復帰する予定でしたが、保育園への入園が叶わず復帰を断念しました。
その状況で、いくつかの現実と向き合うことになりました。
・経済的な理由から働く必要があること
・子育てはあれど主婦として家にいる生活は私の性格に合わないこと
・コロナ禍による求人が激減していること
そのような理由が新たなキャリアを模索するきっかけとなりました。
そこで、「在宅ワーク」「リモートで学べる」といった条件で検索してみました。その中で最も興味を引いたのが、Webデザインの講座でした。正直なところ、当初はWebデザインが具体的に何を指すのかもよく分かっていませんでした。
講座受講前の準備として、プログラミング学習サイト「Progate」の無料部分に取り組むよう指示がありました。しかし、その内容の難しさに愕然とし、「これではついていけないかもしれない」と焦りを感じました。そこで、図書館でコーディング入門の本を借り、講座開始前に2周読み込んで基礎知識の習得に励みました。
この事前準備が良かったようで、実際に講座が始まると予想以上に楽しかったです。そこから現在に至るまで学習を続けています。
現在は制作会社に勤務しながら、フリーランスとしても活動されていらっしゃるとのことですが、それぞれどのような仕事をされていらっしゃいますか?
職場ではお客様とのお打ち合わせから、コーディング、WordPress、広告用画像の制作、リール用動画の制作、サイト保守など幅広く携わっています。
フリーランスではWordPressでサイト制作をする事が多いです。商品画像制作やLP、サイト保守も行なっています。
どのような過程を経て、Web制作会社で働き始めましたか?
学習開始当初から、在宅で働くことよりも、就職することを目指していました。そのため、Webデザインの講座を受講する際も、将来的な就職の可能性を見据えて講師を選びました。
講座の講師を3人の中から選べる機会があり、私は講師3人をかなり調べました(笑)特に注目したのは、講師が現役でWeb制作に携わっているか、そして就職できるチャンスがあれば通勤可能な距離に会社があるかということでした。
フリーランスとして働き始めた後も、技術的な成長の機会を求めていました。子育てをしながら働くという制約もあり、理想的な求人を見つけるのは難しかったです。このままでは技術的に未熟すぎるのではないかと不安になり、何度かSNSなどで募集しているコミュニティの見学に行ったこともあります。
そんな中、タイミングよく講座の講師が経営する会社で求人が出ました。未経験者で時短勤務も相談できる、かつ顧客とのコミュニケーションから実務まで幅広く経験できる!私の希望にぴったりでした!
特に魅力的だったのは、フルリモートではなく、直接コミュニケーションを取れる環境で働けることでした。講座受講から1年半後の入社でした。現在は入社9カ月ほどですが、技術的にも人間的にも成長できる環境で働き続けています。
会社での仕事とフリーランスの仕事をどのように両立させていますか?
勤務開始当時は専業フリーランス時代の仕事もあり、とてもしんどかったです。削るところは睡眠時間しかなく、必死でした。会社での業務に必要な勉強をする時間さえ確保できず、自己成長ができないことへの焦りと、会社に対して申し訳ない気持ちでいっぱいでした。その後、年度末で契約が終わり、フリーランスの業務量が落ち着きホッとしたことを覚えています。
現在は、自分のキャパシティを考慮し、仕事の受け方を見直しています。大きな収入を得ることは難しくなりますが、一つ一つの仕事に丁寧に向き合えるようになりました。
タイムマネジメントの方法や工夫を教えてください。
パート勤務、副業のフリーランス業務、子育て、そこにさらに勉強時間をとりたい。
基本的に時間が足りません。
まず、私が実践しているのは「隙間時間の最大活用」です。例えば、電車での移動時間にWebデザインに関する記事を読むなど、わずかな時間も無駄にしないよう心がけています。
また、生活リズムを調整して時間を捻出しています。早寝早起きを心がけ、22時に就寝し、朝5時に起床するようにしています。子どもが起きる前の静かな時間を、集中して学習できる貴重な時間として活用しています。
また、Webデザインを始める前から共働き家庭として導入しているものもありますが、家電へ投資しています。電気圧力鍋、食洗機、タイマー式のガスコンロ、洗剤自動投入の洗濯機、ロボット掃除機、ストック食材用のミニ冷凍庫など。家事にかかる時間と労力を大幅に削減することができました。
しかし、最も効果を感じているのは、意外にも「全力で子育てをすること」です。手間も時間もかかりますが、自分のことは自分でできるように、家事も失敗を繰り返しながら何度も教えることでお手伝い範囲が増えて私の家事労力が減りました!
時間捻出への取り組み、本当に素晴らしいです!会社で学んでいることがフリーランスの仕事にどう役立っていますか?逆に、フリーランスでの経験が会社の仕事にどう影響していますか?
会社で得た知識と経験は、フリーランスの仕事のあらゆる面で活かされています。特に、お客様とのコミュニケーションから実際の制作プロセスに至るまで、会社で学んだ対応や効率的な作業方法が大いに役立っています。会社での経験がフリーランスの仕事の質を高めています。
一方、フリーランスでの経験は、会社での仕事に直接的に役立っているというよりは、会社で学んだことを実践し、さらに深めていく場として機能しています。フリーランスの仕事では、会社で習得したスキルや知識を使用する機会が多いです。一度学んだことを繰り返すことで知識の定着につながっています。
双方の取り組みが、あゆみさんのスキルアップにつながっているのですね。Webデザイナーになる以前の社会経験や学生時代の出来事で、現在にも活きていると感じることはありますか?
人事部で、採用業務を担当していました。そこでは、年間採用計画の立案から実施まで幅広い業務に携わりました。社内においては各部署のニーズをヒアリングし、それに基づいて採用戦略を練り上げていきました。また社外では、学生との交流イベントに参加したり、複数の応募者を前に会社説明会をしたりと、多くの場面でコミュニケーションスキルを磨く機会に恵まれました。
これらの経験は、現在のWebデザイナーとしての仕事に思わぬ形で活きています。例えば、クライアントとの初回ミーティングでは、人事時代に培った「ヒアリングする力」が大いに役立っています。クライアントさまの要望を引き出し、クライアントさま自身も気がついていなかった商品の魅力を見つけることもあります。
また、会社説明会での経験は、現在のプレゼンテーションスキルの基礎となっています。デザイン案をクライアントに提案する際、複数の選択肢を分かりやすく説明し、クライアントさまの理解を促すことができるのも、この経験があってこそだと感じています。
これまでで一番印象に残っている仕事は何ですか?
一番印象に残っている仕事は、会社で初めて担当したWebサイトの改修案件です。
この案件では、ヒアリングからデザイン、コーディングまで一貫して担当しました。Figma、Illustrator、Photoshopなど複数のデザインツールを駆使し、また久しぶりにコーディングにも取り組みました。正直なところ、全ての工程に予想以上に時間がかかり、社長の辛抱強いサポートがなければ完遂できなかったかもしれません。
制作の過程で、様々な課題に直面しました。例えば、各デザインツールの使用方法や、ファイル形式による使い分け、クライアントとの途中経過の共有方法や、サーバーへのアップロード時の手順など、です。都度質問し解決しながら進むことで、実践的なスキルを習得しました。
フリーランスとしてひとりで働いていたら気づかなかったポイントも多く指摘してもらいました。会社という環境で働くことで、プロとしての基準や、クライアントとの適切なコミュニケーション方法などの経験を積むことができました。
サイト完成時の達成感は格別で、この案件はきっと一生忘れることができません。
スキルアップのために行っていることや、おすすめの学習方法を教えてください。
大切なのは「手を動かすこと」ことだと思っています。理論を学ぶことも大切ですが、実際にコーディングをしたり、デザインソフトを使ったりする方がスキルアップが早いと感じています。
次に、勤務先でのフィードバックを大切にしています。自分では気づかない改善点がたくさん出てきます!また「デザイン部」というWebデザイナー初級・中級者が集まるコミュニティに所属しています。ここでは、メンバーが作った作品、考え、これからの進路、などを見聞きすることで、常に前進し続けるための刺激を得ています。
ありがとうございます。フォローしているXのアカウントや、参考にしているサイト、メディア等があれば教えてください。
以下のアカウントやサイトを参考にしています。
- Xアカウント
- Webサイト
日頃、座っている時間が長いかと思いますが、体調管理など、気をつけていることはありますか?リフレッシュ方法も教えてください。
これは私も教えて欲しいです。正直、体調管理ができているとは言い難い状況です。実は先日の健康診断でここ2年で9キロ程太っていたことが判明し、ショックを受けました。リモートワークの日は大きなコップ2つに飲み物を用意してほとんど立ち上がることなく作業を続けてしまう。それと比べるとオフィスに出勤する日の方が、移動や立ち歩きの機会が多く、はるかに健康的だと感じます。消費カロリーも雲泥の差です。
体調管理の一貫として、ジムに入会はしたものの、忙しさを言い訳に通えていない状況です。いわゆる「幽霊会員」状態。家でできる運動習慣を取り入れ退会するか、ちゃんと通うかしないといけないですね。
リフレッシュアイテムは飲み物の種類を家庭内ドリンクバー!??ってほどに揃えています。カフェインを取りすぎないことにもつながるのでおすすめです!
飲み物の種類がドリンクバー状態になること、共感しかないです(笑)デスク周りのこだわりはありますか?
パソコン、モニター、ペンタブレット、飲み物(+マウス)があればなんでも大丈夫!あまりこだわりの強いタイプではないです。
無印良品のアロマディフューザーをこだわって買ってみたのですが、ほぼ置いているだけなので使っていきたいです(笑)
お恥ずかしい話なのですが、書籍や資料、カバンの中身などをデスクにぽんぽん置いてしまって作業スペースが圧迫されるので定期的に片付けが必要です。
(今回ももちろん片付けてから写真撮りました(笑))
Webデザイナーとして「これは買ってよかった!」というアイテムや、お気に入りの文房具などがあれば教えてください。
wacomのペンタブレット
使うようになってから、モニター上の行きたい場所へすぐ行けるのでマウスの使用頻度が減りました。描画もマウスではできなくなりました。
https://estore.wacom.jp/ja-JP/category/pen-tablets/wacom-intuos/basic.html
ウカンムリクリップ
本を開いて肘で抑えながらキーボード入力していたのが解消されました!早く買えばよかった商品です!
https://www.sun-star-st.jp/items/230403061529/
便利グッズは作業効率アップにつながりますね。今後のキャリアプランや目標を教えてください。
私の今後のキャリアプランと目標は、短期的なスキルアップと長期的な知識の還元を軸に据えています。
まず、当面の目標として、Webデザインの基礎知識をより深く、確実に身につけたいです。技術の進歩が早いこの業界ですが、しっかりとした基礎を身につけ、新しい技術やトレンドにも柔軟に対応していきたいです。同時に、制作スピードの向上も課題です。クライアントさまのニーズに迅速に応えられるよう、効率的に作業できるようショートカットやツールを使用していきたいです。
長期的な目標としては、制作業と並行して講師業をしたいと考えています。具体的には、Webデザイナーを目指す人々や、社内でデザイン業務を担当することになった方々に向けて、知識と経験を共有する機会を持ちたいです。自身の経験から、未経験からWebデザイナーになる過程での苦労や喜びを理解しているため、同じ道を歩む人々のサポートができれば幸いです。
ありがとうございます。最後に、Webデザイナーを志している方や、フリーランスを目指している方、就職を考えている方へのアドバイスがあれば、お願いいたします。
まず、基礎をしっかり学ぶことが大切です。特に、初めてWebデザインを目指す方には、コーディングの基礎本を1冊読んでサイトを作ってみることをおすすめします。Weサイトが出来上がっていく楽しさがわかってもらえるとうれしいです。
次に、実践経験を積むことの大切さを伝えたいです。私自身、フリーランスと会社勤めの両方を経験して、それぞれの良さを体感しました。特に、会社に就職することで、チームでの仕事の進め方、クライアントとのコミュニケーション、プロジェクト管理などを学ぶことができています。
なにより大切なのは、自分に合った働き方を見つけることかなと思います。フリーランス、会社勤め、あるいはその両立など、それぞれに長所と短所があります。自分のライフスタイルや目標に合わせて、最適な働き方を選択することができたらいいですね。
Webサイト制作は楽しい仕事です。困難もありますが、完成時の達成感やクライアント様からの感謝の言葉など何物にも代えがたいものがあります。楽しみながら挑戦を続けていきましょう!
子育てをしながら、制作会社とフリーランス、それぞれの環境でスキルアップに励み、クライアントさまに還元されている、あゆみさん。
未経験でWeb業界にチャレンジしたいと思っている方、子育てと仕事の両立に悩んでいる方など、皆さまの参考になれば嬉しいです。
あゆみさん、ありがとうございました!
umeboshiコラムでは、デザイナーさんへのインタビューや、デザインに役立つあれこれを発信していきます。次回もお楽しみに!